読譜の練習のススメ

読譜がずっと弱くて、良い加減このままじゃまずいなと思い立ち数年前から少しづつですが読譜の練習を続けてきました。読譜力をアップさせるやり方、教材の使い方等を紹介したいと思います。

 

 

読譜力とは?

 

読譜力と一言で言っても大別して二つの能力の総称だと思います。

  • 譜面を見て曲調や構成、曲に合った歌い方を判別出来る能力
  • 機械的に音の高さ、長さを判別して楽器で弾ける能力

この二つの総合的な能力が読譜力と言えると思います。

 

読譜力を上げるには?

 

上で読譜力の能力としてあげている

  • 譜面を見て曲調や構成、曲に合った歌い方を判別出来る能力

が弱くて悩んでいる場合はソルフェージュや視唱であったり、色々と有効なトレーニングもあると思うのですが、それは

  • 機械的に音の高さ、長さを判別して楽器で弾ける能力

この能力がある程度あると言う前提ですので、取り敢えずは機械的にでも音が読めないと話になりません。初見は得意だけど、曲調を掴むのが遅いとか音楽的な表現がいまいち等の悩みは相当高レベルで私もそのレベルにありません。ですのでここからは機械的にでも音を読んで弾ける様になる事を目指すと言う話になります。

 

その方法は単純ですが

初見で弾ける難易度の譜面を大量に読む

と言うのが練習の方針です。初見と言うのが凄く重要で一度でもサラってしまうと少なからず覚えてしまうと言うのがあるので読譜力だけにフォーカス出来なくなる為です。とにかく適正な難易度の譜面を大量に読む事です。やり方としてはギリギリ初見で通せそうなテンポ設定をしてあとは

間違えても止まらない、戻らない、2度弾かない

とにかくインテンポで読んで読譜量だけを稼いで行く。

 

何故ギタリストは譜面が弱いのか?

 

自分がそうである為に良く分かりますが、ギタリストの場合始めたばかりの頃はピアノや管楽器と違って譜面を読んで音楽をやると言う事を基本的にやらない為に、例えばピアニストが小さい頃から簡単な練習曲の譜面を大量に読んできた様な過程がすっ飛んでいます。他に管楽器から音楽を始めた方に比べても吹奏楽部で放課後に毎日練習したりだとか、大学のビッグバンドで合宿行って1日8時間譜面読んでいた等の経験が基本的にありません。普通にギターをやってれば譜面をまったく読まないで音楽をやっていく事になります。それによってある程度上手くなってからも譜面は全く読めない状態で、同じ様なレベルで他の楽器と集まっても読譜力では大きく差がついた状態になってしまいます。

私も初めてまともに譜面読んだのは音楽学校に入って必要に迫られてからなので、普通にギター弾いてたら譜面読む機会は本当に無いんだと思います。

 

どんな本を使えば良いのか?

 

主にクラシックのエチュードを使用します。

理由としては

  • 超簡単とかそこそこ難しいとか読譜力に応じた様々な難易度の譜面を大量に用意しやすい
  • 著作権が切れているものが多く無料で手に入る
  • 基本的には読譜用の教材なんかより音楽的に面白いものが多い

 

等が理由です。

クラシックの練習曲なんですけど、譜面はこのサイト

IMSLP

 

で検索すると全て無料で手に入ります。著作権がフリーになっている為です。探そうと思えばもっと膨大に譜面が存在していて、適切な難易度の譜面を大量に用意すると言う読譜の練習に最適ですね。しかしアップロードしてある譜面が昔の出版物だと古文書の様に書いてあると言うか、とにかく見づらくて小さかったりしてそれで難易度が高いものも多いです。なのでアマゾンとかで日本の新しい本を買うのも見やすくてオススメです。

Realbookを片っ端から読むと言うのは良く聞きますが、私の場合は聞いたことある曲も多いのであんまり役に立たない感じがします。

 

クラシック系のエチュード

 

ではクラシックのエチュードを紹介します

 

カイザー 36の練習曲 第1集 Kayser  Etudes1

 

バイオリンで最初にやる教本らしいです。まずバイオリンは記譜上の音域がギターと似てて読みやすいです。簡単です。簡単ですが初見は最初の1回だけを思い返して心して弾きましょう。

 

カイザー 36の練習曲 第2集 Kayser Etude2

 

1よりちょっと難しくなる。

 

カイザー 36の練習曲 第3集 Kayser Etude3

 

結構ややこしい。テンポ遅くても落ちまくるんだったら、他のを先にやった方がいい。

 

ウォールファールト 60の練習曲 Wohlfart 60 etudes

 

これもバイオリンの教本です。Kayser3より簡単。

 

クロイツェル 42の練習曲 Kreutzer 42 Etudes

 

似たような難易度です。いや本当はアーティキュレーションとか色々あるんでしょうけど無視してますから(笑 多分KayserとWohfartの次くらいにやる本だと思われる。

 

フィオリロ 36の練習曲 Fiorillo 36 Studies or Caprices

 

ちょっと難しくなって、初見向きじゃない曲も増えてきた感じです。すんなり出来そうな曲が少ない。

 

ローデ 24のカプリス Rode 24 Caprices

 

難易度的にはフィオリロの次みたいですが、初見で弾くだけならこちらの方が簡単な気がします。

 

ドント 24の練習曲 Dont 24 etudes

 

これは結構難しい。バイオリンでは上級向けらしい。初見で弾くにはトリッキーなラインも多数ある。超スローでも初見で落ちまくるならちょっと後回しでも良いかも。ここまで来ると完全に曲として成立していて、人に聞かせられる感じです。

 

ケーラー 35の練習曲 Ernesto Koehler 35 Exercises

 

これはフルート向けの練習曲です。フルートはギターで弾くと音域高めになります。とにかく架線が多くて、高い音を読む練習になります。この本は比較的簡単。

 

アンデルセン フルートのための24の練習曲 op21 Andersen op21

 

これもフルート。バイオリンで言うドント位の難易度。初見だと落ちまくりました。これも曲として完成度高いです。

 

アンデルセン フルートのための24の練習曲 op15 Andersen op15

 

op21よりも難易度が高いです。初見用としては難易度高すぎかもしれませんが、ラインが綺麗で美しいです。

 

バッハ インベンション Bach Inventions

 

これは超有名なピアノのエチュードなんですが、基本的に右手パートと左手パートを分けて弾きます。左手パートはヘ音記号になりますがへ音も読めたほうがいいのでそのまま読みましょう。二人で弾くと面白いです。レッスン等でも生徒さんとやったりしました。

 

バッハ シンフォニア Bach Sinfonias

 

シンフォニアはインベンションの次にやる本って位置付けですが、結構難しくて初見向きなのは曲を選びますね。さすがに僕の場合演奏技術を初見力が追い越したりしないので、読めりゃあ技術的には弾けるラインである事が殆どなんですけどそれでもこの辺の難易度になると、技術的に難しいものも多くなります。それって言うのはBPM=40だったら初見で弾けるけど、80で弾こうと思うとかなり練習しないと弾けない難易度になるとかそういった事になります。

 

バッハ 無伴奏ヴァイオリンのためのソナタとパルティータ Bach Violin Sonatas and Partitas BWV 1001-1006

 

これも初見って話でもありませんが、弾いてて面白い、読んでて楽しい事は間違いないです。ギター版に編曲されたものはベース音が付加されていたりして、譜読みには不向きになります。普通にバイオリン版を買ってそのまま読むのが良いですね。

 

 

 

 

クラシック以外の教材

 

Melodic Rhythm for Guitar

 

バークリーの先生が出してる読譜の本。私はレッスンで生徒さんに必須項目にしている本の為、ほぼ覚えてるレベルでコスっていますが、読譜の教材やりたくて一冊め何か無いですか?の場合はこれがオススメです。コードとメロディーのデュオ形式で演奏可能。

 

Reading Studies for Guitar

 

同様の本、2冊目はこれやるのがオススメ。読譜としてはこちらの方が難しい。メロディーとも言える様な、言えない様な音列でいわゆる読譜の教材とはこれ、と言う本ですね。先の一冊目と合わせて読譜って言うけど、運指とかどうすんのよ?と言う人もこの2冊は運指の指定もありますので、一度この本通りにやってみるのが良いかもしれません。

 

Advance Reading Studies Guitar

 

上記2冊よりは大分難易度上がっちゃう。これやる前に何か挟んだ方が難易度的には適切です。MelodicとReadingを何周か回していても、これを初見はちょっと厳しいはずです。3冊めには向いてない。

 

The rhythm bible

 

なんの理屈もなく、ひたすらリズム譜が並んでいる本です。4小節のリズム譜がなんと1090個。いやらしいシンコペを延々とやっつけて行く事になります。リズム譜なので同じ音でもいいし、スケールでもいいし、循環とかでコード弾いてもいいしとアレンジしやすい、何回も回しやすい。なんならギター無くても良いので何処でも出来ます。こんだけ量あるとさすがに覚えるって事もありませんでした。リズム譜の読譜を鍛える本ですね。

 

ジャズコンセプション Jazz Conception

 

ラインが良く練られていて良い本です。初見って事じゃなくても凄く良いラインです。さすがに普通のジャズのソロなので初見だと難しいものもありますが、この位のジャズのアドリブラインをテンポを落とさずアーティキュレーションも良い感じで初見で読めるってのが私が目標として設定しているレベルになります。

 

チャーリーパーカー オムニブック Charlie Parker Omni Book

 

オムニを初見とか冗談でしょ!と昔なら必ず思ったと思いますが、ダブルタイムや難しい譜割りがある曲以外は普通に八分音符の羅列なので、テンポを落とせば初見でも演奏可能です。ジャズの聖典。

 

こんな所を使用しました。
三ヶ月以上経って忘れた頃にテンポをちょっと上げたりして二週目に入っても良いですね。さすがに3周すると部分的には覚えてなくても、なんとなくこんなんだったかな?位は覚えてるので、初見としての効果は薄れているかも。なんとなくでもメロディの傾向が掴めてるだけでも初見の難易度的にはちょっと下がる感じがありました。クラシックのエチュードはギター向きじゃないのもあるので、そうゆうのはどんどん飛ばしています。とにかくインテンポで読む量を増やすのが目的。飛ばした奴は2周以降にまた挑戦してみると、今度はすんなり読めたり。難易度的にはBPM=40位でも落ちまくったら、どんどん後回しにしましょう。

 

と言う事で読譜頑張りましょう!